今回のテーマは「君を想う程に死が溢れる」!!!
まずは夏の幻の設定をおさえたいと思います。
・友達からの恋
”あの頃のように すぐに電話して
笑い合えたらいいのにね”
という歌詞から、前は何でも話し合える中だったけど、今はそうではない。
”近づいて来る 至福の時は
痛みを伴いながら足音をたてる”
至福の時というのは、恋人として付き合うこと。そうすると、それは痛みを伴いながらやってるくる。その痛みとは、恋をする中でとまどい悩むことだと解釈しました。
それから、歌詞に隠れる死の気配をさらっと見てから、歌詞を見ていきましょう!
分かりやすいように語り手は「僕」としています!
部屋の窓の向こうに
飛行機雲を なぞって
今日ケンカした君の事ばかり
考えてた
些細な事で戸惑って
不安定で無防備な
あの頃のように すぐに電話して
笑い合えたらいいのにね
近づいて来る 至福の時は
痛みを伴いながら足音をたてる
考えすぎて深みにハマる
君の傍にいるのに
夏の幻
瞳閉じて 一番最初に君を思い出すよ
いつか終わる儚い生命(ゆめ)に
ただ こみあげる気持ち抱いた
世界は広く 知らない事溢れてて
自分さえ見失いそう
だけど君と生きてゆきたいから
とまどいながらでもいい
つないだ手を離さないでね
強いオフショア 波を待ってた
中途半端に離れて 流されてゆくよ
進化してゆく時代(せかい)の中で
同じものを求めて
夏の幻
想うだけで胸が熱くなれた奇跡の途中
願うだけじゃ届かぬくらい
こぼれ落ちそうな気持ち抱いた
どうして二人 近づく程
遠く感じて不安になるんだろう
キョリを超えた欲望があふれて
一人 部屋の中で
君の温もり想う
どんな日にも
瞳閉じて 一番最初に君を思い出すよ
いつか終わる儚い生命(ゆめ)に
ただ こみあげる気持ち抱いた
忘れないから…消えゆく命(まぼろし)に
君と並んでいたね
夏の終わり陽射しがゆれてる
海の底のような手のひらの中の街並
I like a dream. I’m calling out to you
”部屋の窓の向こうに
飛行機雲を なぞって
今日ケンカした君の事ばかり
考えてた”
(部屋の窓の向こうにある飛行機雲をなぞって、今日ケンカした君の事ばかり考えてた)
・飛行機雲
少しだけ死の気配がした言葉です。これはユーミンのひこうき雲×風立ちぬから引っ張れられたあまり根拠のないものです。
”些細な事で戸惑って
不安定で無防備な
あの頃のように すぐに電話して
笑い合えたらいいのにね”
(あの頃は君と友達だったから、些細な事で戸惑ったりなんてしなくて、すぐに電話すれば笑い合えたのに、今の僕の心は不安定で、傷つきやすくなってる)
”近づいて来る 至福の時は
痛みを伴いながら足音をたてる
考えすぎて深みにハマる
君の傍にいるのに”
(恋が成就するまでには痛みが伴う。君は傍にいるんだから、気になることがあれば聞いてみればいいのに、聞けなくて。考えすぎて深みにハマってしまう)
・至福の時は痛みを伴いながら足音をたてる
至福の時を、安らかな死と考えると、痛みを伴いながら足音を立てて近づいてくる感じが、私はしました。
結局、君と幸せになったとしても、いつかは死が二人を別れさせてしまう…なんて考え過ぎて深みにハマってしまう。今は君がちゃんと、傍にいるというのに。
”夏の幻
瞳閉じて 一番最初に君を思い出すよ
いつか終わる儚い生命(ゆめ)に
ただ こみあげる気持ち抱いた”
(夏の終わりに瞳を閉じれば、一番最初に君を思い出すよ。いつか終わる儚い君との時間に、ただこみあげる気持ちを抱いた)
・夏の幻 瞳閉じて 一番最初に君を思い出すよ
夏の幻を死のワードとして仮定すれば、死の際に瞳を閉じれば、一番最初に君を思い出すよ。となります。
※詳しい「夏の幻」については後述に記載
・儚い生命(ゆめ)
この歌詞で強く伝えたいことは、儚い夢。夢というのは、君と一緒にいつまでもいること。それがいつかは終わってしまうから儚い。
そうした夢というのは、生命と同義であるとしたことが、AZUKI七さんの深く鋭い素晴らしいセンスだと思います。
”世界は広く 知らない事溢れてて
自分さえ見失いそう
だけど君と生きてゆきたいから
とまどいながらでもいい
つないだ手を離さないでね”
(世界は広く知らない事が溢れているから、それに流されてしまって自分を見失いそう。だけど君と一緒に生きてゆきたいから、とまどいながらでもいい。つないだ手を離さないでね)
”強いオフショア 波を待ってた
中途半端に離れて 流されてゆくよ
進化してゆく時代(せかい)の中で
同じものを求めて”
(価値観は移り変わっていくものなのに、同じものを求めてしまって。風向きが悪いからちょうど良いタイミングを待っていたけれど、君とは中途半端に離れてどんどん遠くなってしまった)
・強いオフショア
サーフィン用語で、ビーチ側から海へ向けて吹く風のことです。
オフショアが強いと、波しぶきが強かったり、海へ海へと流されます。
なので、風向きが悪くてちょうど良い波(タイミング)を待っていた。という表現にしました。
・進化してゆく時代(せかい)
進化してゆく(時代×)せかいの方向で考えました。進化=どんどん新しくなる・せかいってどんな世界か?そんな世界の中で求める同じものって何だろうと考えた時に、進化してゆく・せかい=二人の関係・生活(友達⇒付き合う⇒結婚)というのは、どんどん新しくなっていきます。そして、その中で同じものを求めるとしたら、それは価値観だと考えました。
・さらに意訳
些細な価値観の違いで喧嘩してしまって(掃除機は1日1回or1週1回)君が落ち着くタイミングを計っていたけれど、話しかけづらくて(中途半端に離れて)喧嘩した内容はそのまま流れていってしまった。価値観なんて変わっていくものだけど、僕の価値観を君にも分かってもらいたい。
”夏の幻
想うだけで胸が熱くなれた奇跡の途中
願うだけじゃ届かぬくらい
こぼれ落ちそうな気持ち抱いた”
(夏の終わりに。想うだけで胸が熱くなる恋をしている(奇跡)。願うだけじゃ届かない、直接届けたいくらい、こぼれ落ちそうな気持ちを抱いているよ)
・奇跡の途中
これは恋の途中。と言い換えることができると思います。僕の人生の中で、君と出会えて恋をするというのは、奇跡のようなことなんだ、という意味だと思いました。途中なので、やはりまだ、成就はしていないのだと思います。
・願うだけじゃ届かぬくらいこぼれ落ちそうな気持ち
この表現は本当に素晴らしいと思いました。想いが溢れてしょうがない、という大きな気持ちを、願うだけじゃ届かない、と表現するところ。本当に素晴らしい。願うだけじゃ届かない、つまりは、直接会って届けたいくらい、という意味になるかと私は解釈しました。
”どうして二人 近づく程
遠く感じて不安になるんだろう
キョリを超えた欲望があふれて
一人 部屋の中で
君の温もり想う”
(近づけば近づくほど、どうして遠く感じて不安になるんだろう。それでももっと近づいて君に触れたいという欲望があふれるから、一人部屋の中で、君の温もりを想っている)
・近づくほど遠くなる
距離が近いほど相手のことがよく分からなくなって不安になる。
近くなればなるほど相手の見える範囲が広く細かくなって、自分との違いがはっきり見えるようになり、合わない、考えが分からない、といったことが生じるから。あるいは、友達ではなくなって、恋人としてどんどん距離が近づいてしまうと、言いたい事が言いづらくなってしまい、相手の事がどんどん分からなくなって不安になる。
・大人になるとわかる
キョリを超えた欲望があふれて、一人部屋の中で、君の温もり想う。
子どもの頃に、コナンのテーマソングが流れていた時は全く分からなかった。一人部屋の中で君の温もりを想う、シーン。
え?そんな風に感じるのは、私だけですか💦
”どんな日にも
瞳閉じて 一番最初に君を思い出すよ
いつか終わる儚い生命(ゆめ)に
ただ こみあげる気持ち抱いた”
(いつでも瞳を閉じれば、一番最初に君を思い出すよ。いつか終わる儚い君との時間に、ただこみあげる気持ちを抱いた)
”忘れないから…消えゆく命(まぼろし)に
君と並んでいたね
夏の終わり陽射しがゆれてる
海の底のような手のひらの中の街並
I like a dream. I’m calling out to you”
(夏の終わりに君と並んでいたこと忘れないよ。もちろん死ぬ瞬間もきっと思い出す。夏の終わりに陽射しがゆれて、海の底のようにゆらゆらと、世界が僕たちの手の中にあるような、そんな景色。それはまぼろしのようで、君への想いがあふれていた)
・夏の幻=消えゆく命(まぼろし)
消えゆくまぼろし=消えゆく(夏の)幻 というところから、各サビの夏の幻を夏の終わり、としました。
なので、ここでは、夏の終わりを忘れないよ。という解釈にしました。
また、消えゆく命=死の間際とし、死ぬ瞬間も、君と過ごした夏を忘れないよ、としました。
・街並
今の私の感性では、街並を世界と捉えることが限界でした。面目ないです。
・I like a dream. I’m calling out to you
私は夢のようで。という英訳が正しいとはあまり思いませんが、そこから、夢=まぼろし、にしました。タイトルも歌詞もまぼろしのように不安定なフレーズが多いのでそこに関連しています。
I’m calling out to youは直訳すると、私はあなたを(大きな声)で呼んでいる。
call outにはただ呼ぶ、ではなく、大きな声、というニュアンスが含まれるようですので、大きな声で君を呼ぶってどんな感じかな、というイメージで想像しました。
・まとめ夏の幻について
夏の幻を別視点で見たいと思います。
サビの冒頭に置かれる夏の幻は、俳句の季語のようでもあります。
ここまで歌詞を見てくると、夏の幻という歌には死の影が多くつきまとっています。そうしたところから、夏の幻、夏の儚い命、カゲロウが浮かび上がってきます。
夏の幻全体に漂う儚さカゲロウと、最後のフレーズのゆらゆら漂う陽炎、そして海の底のゆらゆら感がイメージされる、タイトルにふさわしい言葉だと思いました。
最後に、まぼろしのように不安定なフレーズを見て終わりにしたいと思います!
部屋の窓の向こうに
飛行機雲を なぞって
今日ケンカした君の事ばかり
考えてた
些細な事で戸惑って
不安定で無防備な
あの頃のように すぐに電話して
笑い合えたらいいのにね
近づいて来る 至福の時は
痛みを伴いながら足音をたてる
考えすぎて深みにハマる
君の傍にいるのに
夏の幻
瞳閉じて 一番最初に君を思い出すよ
いつか終わる儚い生命(ゆめ)に
ただ こみあげる気持ち抱いた
世界は広く 知らない事溢れてて
自分さえ見失いそう
だけど君と生きてゆきたいから
とまどいながらでもいい
つないだ手を離さないでね
強いオフショア 波を待ってた
中途半端に離れて 流されてゆくよ
進化してゆく時代(せかい)の中で
同じものを求めて
夏の幻
想うだけで胸が熱くなれた奇跡の途中
願うだけじゃ届かぬくらい
こぼれ落ちそうな気持ち抱いた
どうして二人 近づく程
遠く感じて不安になるんだろう
キョリを超えた欲望があふれて
一人 部屋の中で
君の温もり想う
どんな日にも
瞳閉じて 一番最初に君を思い出すよ
いつか終わる儚い生命(ゆめ)に
ただ こみあげる気持ち抱いた
忘れないから…消えゆく命(まぼろし)に
君と並んでいたね
夏の終わり陽射しがゆれてる
海の底のような手のひらの中の街並
I like a dream. I’m calling out to you
以上!最後までご覧くださりありがとうございました!
ここってどういうこと?という疑問がございましたら、お問い合わせ、あるいは、ツイッターのメッセージ(@sarubianohako)にぜひご連絡ください!!